植物発酵食品投与による胎児発育不全の改善、出生後の体重増加および血中ビリルビン値への影響について
植物発酵食品投与による胎児発育不全の改善、出生後の体重増加および血中ビリルビン値への影響について
石川・恵寿総合病院
小濱隆文、小林寛人
【目的】
妊娠・授乳期においての母体への植物発酵食品投与が児の発育促進・改善を促すことが、畜産領域も含め近年注目されてきている。今回、果実・根菜・穀類などの複数植物は発酵させた万田酵素®(M)を、high risk妊娠以外の子宮内胎児発育不全(IUGR)の妊婦に投与し、胎児発育、出生後の児の体重増加および血中総ビリルビン値(S-Bil)への影響を検討した。
【方法】
平成10年度の当院妊婦外来において、妊娠28週以降の2週間おき、36週以降1週間おきに超音波にて胎児推定体重を測定し、胎児発育曲線の-1.5SDを2度続けて下回った非high risk妊婦に対し、Mの投与趣旨・安全性を説明し、同意を得た後、5g/日投与開始し、出産まで継続させた(M群)。対照群(C群)は多年度の同様の発育曲線を有する妊婦とし、胎児発育曲線、児の出産時一時所見、産後3日目のS-Bilおよび生後一ヶ月の体重増加量について比較・検討した。
【成績】
M群は44例(412例中)で、M投与後の発育曲線改善例は29例、出生時体重2,735±320g(mean±sd)(2,500g未満は12例)、C群は63例(421例中)で、28週以降の発育曲線改善例は20例、出生時体重2,452±266g(2,500g未満は27例)であり、いずれもM投与による有意な改善が認められた(p<0.05)。M群およびC群の、出生3日後のS-Bilは10.01±1.12mg/dlと10.91±1.88mg/dlでM投与による有意な低下、また出生後1ヵ月間の体重増加量は、1,154±230g/月と1,023±299g/月でM投与による有意な増加が認められた(p<0.05)。その他の出産時一時所見に差は認められなかった。【結論】M投与は、IUGRを改善させ、出生後の高ビリルビン血症の予防、体重増加の促進を促すことが示唆された。









